ε-TiO

Fig1物質名

ε-TiO

結晶構造

hexagonal, a=4.9936(3) Å, c=2.8773(2) Å, space group P-62m

特徴

遷移金属の一酸化物は岩塩型構造を有するものが一般的で、TiOについても、これまで欠陥を含む岩塩型、および欠陥が規則配列した超構造を持つ相が知られていた。今回、ビスマス金属融液をフラックスに用いることで、TiOの新たな多形を単結晶として合成することに成功した。X線結晶構造解析の結果、この新規相はTaNのε相と同型構造を有することが明らかになった。2元系でこの型の構造を持つ酸化物は、今回発見されたTiOのε相が初めてである。アーヘン工科大学Drownskowski教授のグループの理論計算により、この相は以前より知られていた低温相のTiOより安定で、TiOの多形の中で最安定相であることが示された。

応用例

電子伝導

発表論文

Shinsaku Amano, Dimitri Bogdanovski, Hisanori Yamane, Masami Terauchi, and Richard Dronskowski, “ε-TiO, a Novel Stable Polymorph of Titanium Monoxide”, Angew. Chem. Int. Ed., 55 (2016) 1652-1657.


東北大学 多元物質科学研究所 無機固体材料合成研究分野 山根研究室
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