Fig2

物質名

Na2.24Ga2.24Sn3.76

結晶構造

hexagonal, a=6.3197(3) Å, c=6.1639(3) Å, space group P6122

特徴

ジントル化合物Na2+xGa2+xSn4–x (0≤x≤0.25)を合成し,その結晶構造が,GaとSnで構成される骨格構造中のらせんトンネル空間にNa原子が大きなディスオーダを伴って配置していることを明らかにした.Na2+xGa2+xSn4–x (x=0.19)の焼結体試料の室温における熱伝導率は0.56 W m−1 K−1であり,一般的なガラスよりも低い熱伝導率を示した.これは, この化合物の複雑な結晶構造によって引き起こされたと考えられる.試料の熱伝導率とゼーベック係数,電気伝導率から算出される無次元性能指数(ZT)は0.98(室温)で,温度上昇ともに増加した.これらの値はBi2Te3系実用材料の特性に匹敵する.

2-Na2Ga2Sn4

Na2+xGa2+xSn4−x (x = 0.19)の結晶構造

応用例

熱電変換素子

発表論文

Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Hideaki Nagai, “A Thermoelectric Zintl Phase Na2+xGa2+xSn4–x with Disordered Na Atoms in Helical Tunnels”, Adv. Mater. 27, (2015) 4708–4713.


東北大学 多元物質科学研究所 無機固体材料合成研究分野 山根研究室
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